愛の、愛の、愛の嵐
ええい、ままよ。

アタシはもう一度両手の平で

顔を撫でて応急処置を施そうとした。

足音が止まり、

誰かがアタシに話し掛けてきた。


「君・・・もしかして、恩田さん?」


名前を言われて、

驚いて顔を上げる。

そこに彼が立っていた。

ちょっと日焼けしてるけど、

まさしく彼だった。

あの日、

アタシの運命を変えた

駅のホームでの出会いから

一月ぶりの、

遠い遠い異国の地での再会。

あの時はまさか

彼に会うのにこんなにかかるとは

夢にも思わなかった。

でも会えた。

アタシの運命の彼。

アタシの全て。

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