愛の、愛の、愛の嵐
「実は・・・
 突然でびっくりするでしょうけど、
 アタシ・・・」


喉がカラカラで熱い。

ううん、

顔も、

体も、

全部が熱い。

心臓は胸から飛び出してきそう。

いっそこのまま

気を失ってしまったら

どんなに楽だろうかと思った。

次の言葉が出ない。

周りの喧騒や

焼け付く陽射しや

ほこり、

それら全てが

暗闇に包まれて

音の消えた世界の中、

存在するのは

彼とアタシだけになる。

永遠のような

ながいながい

一瞬の沈黙の後、

アタシは

意を決して口を開く。
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