愛の、愛の、愛の嵐
ううん、

そんなこといままでだって

ぼんやり知ってはいたけど、

でもホントは

全然わかってなかったんだ。


そう思って

あらためて雲を見下ろすと、

その下に無限に拡がる人々の営みを感じ、

アタシはちょとくらくらしてしまう。


そういえば

あのタクシーの運ちゃんも言ってた。

当たり前のことだけど、

考えもしなかったって。

うん、そうだなーって、

アタシは窓から顔を離すと

シートに体を預けて

軽く目を閉じる。

そして考える。


普段当たり前だって

そう思ってることに限って、

実は深く考えずに

見過ごしちゃってるんじゃないのかな。

でも案外、

そこに重要なことが

隠されているのかも。

わかんないけど。
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