大好きになったのは先生でした。

長身。




ハニーブラウンの柔らかそうな綺麗な髪。




寝ていても分かるほど整った顔立ち。




あまりにも綺麗なその容姿にしばらく動けずにいると「…ん。」という声と共に1度ぎゅっときつく閉じられた目がゆっくりと開く。




そしてその目があたしを捉えると首を傾げ、




「んー。誰？俺に用事？」




と、声をかけられる。




「えっと、合格発表見に来たんですけど、校庭の場所が分からなくなってしまって…。」




もうすぐ高校生になるというのに迷子になったなんて初対面の人に言うのは恥ずかしすぎて段々声が小さくなってしまう。




「あー。なるほど。」




彼はあたしの言葉に納得した反応を見せるとベンチから立ち上がる。




歩き出した彼の様子をまだ動けないまま観察していると、彼が振り返り、優しく笑う。




「校庭の場所、分かんないんだよね？案内してあげる。」




そう言って再び歩き出した彼の後ろを少し遅れて追いかける。