大好きになったのは先生でした。
美萌とは打って変わってしっかり者の印象を与える美桜。




"ついでにあたしとも仲良くしてね"と言いながらニコッと微笑んだ美桜はとても可愛らしかった。




「こちらこそよろしくね。」




あたしも2人に笑顔を向ける。




それからは3人でいろんなことを話して盛り上がり、案内係の在校生に呼ばれた頃にはすっかり仲良しになっていた。




そのまま体育館に向かい、入学式がはじまる。




校長先生と生徒指導の先生の話はとても長くてあたしを含む新入生全員が寝そうになった頃、静かだった体育館がざわざわとうるさくなる。




突然の変化に周りの様子を窺うと、いつの間にか入学式の後に行われる予定だった新任発表に移っていたようで、ステージ上にみんなの視線が向けられているようだ。




あたしもステージ上に目を向けると時が止まったように目が離せなくなる。




…合格発表のとき案内してくれた彼がそこにいた。




「ねえ梨王!茶髪の人イケメンじゃない?」




「…。」




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