大好きになったのは先生でした。

興奮気味に話しかけてくる美萌の声も聞こえないほどビックリしてステージに釘付けになっていた。




「梨王？」




返事がないことに疑問を持った美萌に身体を揺すられて、




「あ……うん。」




と、から返事をする。




『次の先生お願いします。』という教頭先生の司会の後、彼がステージの真ん中にあるマイクの前に立ち、話し始める。




「岬悠志です。教員1年目の23歳で体育科を担当します。」




シンプルな挨拶が彼のイメージにピッタリだった。




他の先生の挨拶も終わって、次に部活紹介に移る。




入学式から部活紹介が行われる学校は珍しいが、栄華高校は部活にとても力を入れているため、毎年この日に部活紹介がある。




中学では何もやってなかったため、特に入りたい部活もなく、聞き流していた。




部活紹介も終わって教室に戻り、担任の挨拶と軽い自己紹介をして解散となった。