お見合い結婚しました―しばらくはセックスレスという約束で!
30.真の喜びに目覚めさせてやりたい! 後悔先に立たず!
(2月第1週)
理奈と一緒に寝るようになって、2か月になる。セックスレスが解消したころは、毎晩、どちらかの部屋で一緒に寝ていたが、愛し合うのは週末に収束して来た。
二人とも働いているので、体調や気持ちの行き違いもあり、二人とも週末に集中した方が良いと思うようになった。
このごろ、理奈がそうしてほしいと言ったので「理奈」と名前だけで呼ぶようになっている。理奈は僕のことを「亮さん」と言っているのに「理奈さん」と呼ばれると疎遠な感じがするそうだ。
そして二人になるとためらいもなく愛し合えるようになっている。理奈もそんなに恥ずかしがらなくなっている。体位を変えても、いやがらずに応じてくれる。それなりの快感もあるようだ。気持ちよさそうな表情を見せている。
でも乱れるようなことはない。声もほとんど出さない。我慢しているようにも見える。本人がそれで満足していればいいが、昇りつめた快感をまだ味わっていない気がしている。男としてはそのあたりが少しもの足りないし、理奈にそれを味あわせてやりたい。
「気持ちいいなら、声を出してもいいんだよ。そうしてくれた方が理奈の気持ちが分かっていいから」
「はい」とは言っているが、やっぱり変わらない。でも終わったあと抱いて寝ていると満足しているのが良く分かる。
何とかできないものかとか考えてあることを思いついた。朝、出かける前に理奈に頼んでおくことにした。
「昨日帰ったら僕の部屋のDVDレコーダーがつけっぱなしになっていた。録画した番組などを見ながら寝込んでしまって、朝、スイッチが入っているのに気が付かないで出勤してしまった。気を付けてはいるけど、もし気が付いたら消しておいてくれないか? 部屋に入ってもらっても構わないから」
「はい、そうします」
次の日の朝、DVDレコーダーにAVをわざとセットしてレコーダーのスイッチを入れておいた。丁度、今日は会合があって、帰りが遅くなる予定だ。
理奈がスイッチを切る時にAVを偶然にでも見ることを期待した。見れば刺激をうけて少しは変わるかもしれない。ただ、過激なものを入れるのは避けた。
帰って理奈が見たかどうか形跡をチェックするが、スイッチが入ったままだった。根気よく、毎日これを繰り返すことにした。一緒に見ようと誘ってもいいが、理奈がどう答えるか、まだ自信がない。
金曜日の夜、帰りが 9時過ぎになった。理奈には帰りが遅れることをメールで知らせておいた。レコーダーのスイッチが切られていた。チェックしてみると見た形跡があった。
理奈はスイッチを切ったとも何とも言わなかった。ただ、その夜の理奈の反応が変わった。声を出して快感を僕に伝えた。良い方向に動いている。理奈はAVに関心を持ったかもしれない。
AVは前後二段重ねの本棚の後ろの棚に20巻ほどある。AVを見てもよいというのは婚約した時に認めてもらっていた。前の棚を横にずらすとすぐに見つかるが、いつもは見えないようになっている。
理奈が興味を持ったとすると他もみたいと思うかもしれない。見たかどうか分かるようにすべてのAVに理奈には分からない印をつけておいた。
帰りが遅くなったら、見た形跡がないか、こっそりチェックした。軽いものから過激なものまであるが、チェックするたびに過激なものが見られている。
こちらの方が少し心配になる。でも理奈は何もいわない。ただ、抱くたびに理奈が少しずつ変わってきているのは分かる。
夜中に理奈に抱きつかれて目が覚めた。
「どうしたの、怖い夢でも見たのか?」
「すごく恥ずかしい夢を見ました」
「どんな夢?」
「とても言えません」
「僕は出てこなかっただろうね」
「亮さんに恥ずかしいことをされている夢です」
「夢に見るほど理奈を恥ずかしがらせることなんかしているはずないけど、いったいどんなこと?」
「とても言えません」
「これから気を付けるから聞かせて」
「亮さんが私を動けなくして恥ずかしいことを無理やり」
「ごめん、そんな夢を見させてしまって、でもどうしてあげればいいのか分からない」
「すごく恥ずかしいのにとっても感じてしまって、驚いて目が覚めました」
「そうだったのか」
「同じようにしてください」
「ええ…」
それから、理奈に言われたとおりに、夢を再現してやった。理奈はとても恥ずかしがっていたが、何度も何度も昇りつめた。
それからは、理奈は快感をそのままあらわして僕に知らせるようになった。またひとつ二人の間の垣根を取り払うことができた。
理奈に仕掛けた作戦は大成功だったが、仕掛けたことは理奈には内緒にしている。理奈も僕のAVをこっそり見たことは一言も言わない。これは二人の暗黙の了解かもしれない。
◆ ◆ ◆
もう4月も終わり近くなって春たけなわの良い季節になっている。去年9月の2回目に会った時に理奈から言われた「結婚しても気持ちが通い合うまではセックスレスでお願いします」はもうすっかり解消された。
秋本君の言ったこと「良さを覚えさせると後が大変だ」を思い出した。今となってはAVを仕掛けたことがやり過ぎだったと少し後悔している。少しずつでよかったのに!
式を挙げてから6か月経った今では理奈とは本当に気持ちが通い合った夫婦になっている。
これですごい美人と見合い結婚した時に約束した「しばらくはセックスレス!」の解除に知恵を絞った夫の話はこれでおしまいです。めでたし、めでたし。
理奈と一緒に寝るようになって、2か月になる。セックスレスが解消したころは、毎晩、どちらかの部屋で一緒に寝ていたが、愛し合うのは週末に収束して来た。
二人とも働いているので、体調や気持ちの行き違いもあり、二人とも週末に集中した方が良いと思うようになった。
このごろ、理奈がそうしてほしいと言ったので「理奈」と名前だけで呼ぶようになっている。理奈は僕のことを「亮さん」と言っているのに「理奈さん」と呼ばれると疎遠な感じがするそうだ。
そして二人になるとためらいもなく愛し合えるようになっている。理奈もそんなに恥ずかしがらなくなっている。体位を変えても、いやがらずに応じてくれる。それなりの快感もあるようだ。気持ちよさそうな表情を見せている。
でも乱れるようなことはない。声もほとんど出さない。我慢しているようにも見える。本人がそれで満足していればいいが、昇りつめた快感をまだ味わっていない気がしている。男としてはそのあたりが少しもの足りないし、理奈にそれを味あわせてやりたい。
「気持ちいいなら、声を出してもいいんだよ。そうしてくれた方が理奈の気持ちが分かっていいから」
「はい」とは言っているが、やっぱり変わらない。でも終わったあと抱いて寝ていると満足しているのが良く分かる。
何とかできないものかとか考えてあることを思いついた。朝、出かける前に理奈に頼んでおくことにした。
「昨日帰ったら僕の部屋のDVDレコーダーがつけっぱなしになっていた。録画した番組などを見ながら寝込んでしまって、朝、スイッチが入っているのに気が付かないで出勤してしまった。気を付けてはいるけど、もし気が付いたら消しておいてくれないか? 部屋に入ってもらっても構わないから」
「はい、そうします」
次の日の朝、DVDレコーダーにAVをわざとセットしてレコーダーのスイッチを入れておいた。丁度、今日は会合があって、帰りが遅くなる予定だ。
理奈がスイッチを切る時にAVを偶然にでも見ることを期待した。見れば刺激をうけて少しは変わるかもしれない。ただ、過激なものを入れるのは避けた。
帰って理奈が見たかどうか形跡をチェックするが、スイッチが入ったままだった。根気よく、毎日これを繰り返すことにした。一緒に見ようと誘ってもいいが、理奈がどう答えるか、まだ自信がない。
金曜日の夜、帰りが 9時過ぎになった。理奈には帰りが遅れることをメールで知らせておいた。レコーダーのスイッチが切られていた。チェックしてみると見た形跡があった。
理奈はスイッチを切ったとも何とも言わなかった。ただ、その夜の理奈の反応が変わった。声を出して快感を僕に伝えた。良い方向に動いている。理奈はAVに関心を持ったかもしれない。
AVは前後二段重ねの本棚の後ろの棚に20巻ほどある。AVを見てもよいというのは婚約した時に認めてもらっていた。前の棚を横にずらすとすぐに見つかるが、いつもは見えないようになっている。
理奈が興味を持ったとすると他もみたいと思うかもしれない。見たかどうか分かるようにすべてのAVに理奈には分からない印をつけておいた。
帰りが遅くなったら、見た形跡がないか、こっそりチェックした。軽いものから過激なものまであるが、チェックするたびに過激なものが見られている。
こちらの方が少し心配になる。でも理奈は何もいわない。ただ、抱くたびに理奈が少しずつ変わってきているのは分かる。
夜中に理奈に抱きつかれて目が覚めた。
「どうしたの、怖い夢でも見たのか?」
「すごく恥ずかしい夢を見ました」
「どんな夢?」
「とても言えません」
「僕は出てこなかっただろうね」
「亮さんに恥ずかしいことをされている夢です」
「夢に見るほど理奈を恥ずかしがらせることなんかしているはずないけど、いったいどんなこと?」
「とても言えません」
「これから気を付けるから聞かせて」
「亮さんが私を動けなくして恥ずかしいことを無理やり」
「ごめん、そんな夢を見させてしまって、でもどうしてあげればいいのか分からない」
「すごく恥ずかしいのにとっても感じてしまって、驚いて目が覚めました」
「そうだったのか」
「同じようにしてください」
「ええ…」
それから、理奈に言われたとおりに、夢を再現してやった。理奈はとても恥ずかしがっていたが、何度も何度も昇りつめた。
それからは、理奈は快感をそのままあらわして僕に知らせるようになった。またひとつ二人の間の垣根を取り払うことができた。
理奈に仕掛けた作戦は大成功だったが、仕掛けたことは理奈には内緒にしている。理奈も僕のAVをこっそり見たことは一言も言わない。これは二人の暗黙の了解かもしれない。
◆ ◆ ◆
もう4月も終わり近くなって春たけなわの良い季節になっている。去年9月の2回目に会った時に理奈から言われた「結婚しても気持ちが通い合うまではセックスレスでお願いします」はもうすっかり解消された。
秋本君の言ったこと「良さを覚えさせると後が大変だ」を思い出した。今となってはAVを仕掛けたことがやり過ぎだったと少し後悔している。少しずつでよかったのに!
式を挙げてから6か月経った今では理奈とは本当に気持ちが通い合った夫婦になっている。
これですごい美人と見合い結婚した時に約束した「しばらくはセックスレス!」の解除に知恵を絞った夫の話はこれでおしまいです。めでたし、めでたし。