スウィート&ビター
そう...。
月は何かと優しい。
困っている人を見過ごすことができないのだ。
いやでも、なんというか困っている人でも
この先生のように可愛らしい先生だったり
太陽のような愛らしい子しか助けていない気がする。
私の直感だけど。
憶測だけど。
(困)

それからは私は机のプリントの方をみていた。

前の席の方の子から、真っ黒な言葉が聞こえた。
何〜あの先生ほんと使えなくね??
はは、マジウケル...。

いくらなんでもあり得なかった。
私は落胆した。

そしてその席に月がプリントを配ろうと来た。
月は少し前かがみになって怖い顔をして何かを言った。
その席の子はその言葉にひどく驚いた様子だった。
だが次の瞬間。
月に対して掴みかかって来たのだ。
月は彼を睨みつけた。
こんな月、今まで見たことがなかった。
いつも省エネ思考で、冷たそうで優しい彼が
あんなに怖い顔をしているのだ。
今や、月は、あのリーダー格に掴みかかられ、睨みをきかせている。

私はその一瞬に息を呑んだ。

先生は慌てて静止した。
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