恋のキューピッドは怪獣でした!
どうしようかと悩んでいるうちに、タクシーは止まった。
あたりを見渡せば、そこは高級住宅街。



(わぁ……)



びっくりしてるうちに、私はタクシーから降ろされ、彼も降りていた。
ここで降りたってことは、きっとこの人の家も豪邸なんだ。
第一、そうじゃなきゃ家政婦さんなんて雇わない。



あ、そっか。
この人はまだ家族と住んでて、そのお家で家政婦さんを雇いたいってことなんだね、きっと。
ん?でも、それならご両親とかが探すかな?
う~ん、だったらどういうことだろう?



だけど、とにかく家族で住んでるなら、危険なことはないよね。
私ってちょっと心配症過ぎなのかも…??



あれこれ考えながら彼の後を着いて歩いてたら、突然、彼が一軒のお屋敷の中に入って行った。
お寺か旅館みたいな大きな門だ。
すっごい豪邸…!
この人、お金持ちだったんだ…!



なんだか足が震えて来る。
こんなことなら、もっとマシな服装して来ればよかった。
でも、今更そんなことを思ってもどうにもならない。



(ま、だめでもともと。
なるようになるさ!)



私は自分自身に気合いを入れた。


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