恋のキューピッドは怪獣でした！
でも、住み込みで働いてても、史郎さんのことをそんなに悪く感じたことはない。
出会った時は感じの悪い人だって思ったけど、一緒にいるうちにそのイメージはだんだん良くなって来た。
まず、史郎さんは人の悪口や愚痴を言わないし、けっこう温厚で優しい雰囲気がある。
割と微笑むこともあるし、笑顔は無邪気で可愛い。



「出かけない日は、ほとんど部屋から出てこないだろ？
きっと、ゲームをやってるんだよ。
パソコンのゲームには中毒性があって、ハマる人はすごくハマるらしいよ。
どこかの国じゃ、何十時間もゲームをやってて死んだ人がいるとか聞いた。
ご主人は、大丈夫なのかね？」

確かに、史郎さんは出掛けない日はほとんど部屋から出て来ない。
ごはんの時だけふらっと出てきて、また部屋にひきこもる感じだから、手島さんの言う通り、ネットのゲームでもやってるのかもしれない。
まぁ、食事はちゃんと摂ってるだけに死ぬことはないと思うけど…



「さてと…そろそろお風呂わかしてくれない？」

「……はい。」

もう抗わない。
手島さんの言うことにいちいちイライラしてたら、身が持たない。
ちょっとした手間だもの。
おとなしく、言われた通りにしといた方が、精神的にも楽だもの。
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