恋のキューピッドは怪獣でした!
手島さんのお風呂の準備をして、私は雨戸を閉め、戸締りをして…
それから、台所のテーブルでノートを広げた。
今日の夕飯のことをまとめておこうと思って…



あ、そうか…
このお屋敷は、ゆっくり出来る場所がいっぱいあるっていうのも良いのかもしれないな。
この時間、まだ手島さんは起きてるから、ふすま越しにテレビの音とか聞こえて来るし、なによりまた何か言いつけられたら面倒くさいから、ここに来た。



ここの他にも部屋はいくつもあるけど、勝手に入るのはやっぱりちょっとはばかられる。
その点、ここは良くいる場所だし、慣れてるせいか落ち着けるから。



紅茶を淹れ、お菓子をつまみながら、私は夕飯のことを思い出して、要点をノートに書きつけていった。
最近は、手島さんの上から目線の言い方にも特に何も感じなくなった。
私は後輩だし、家事は初心者レベルなんだし、教えてもらう側なんだから、そのくらいのことは仕方ないと思えるようになった。
そう思ったら、イライラすることもないし、却って良かったと思ってる。



手島さんは相変わらず叱られてばかりだけど、まだ教わり始めて間がないんだから仕方ない。
私がここにいる間に、どのくらい上達出来るだろうか?
そんなことを考えれば励みにもなる。
< 105 / 136 >

この作品をシェア

pagetop