恋のキューピッドは怪獣でした!
「これ、ものすごく昔のやつで、子供向けのちゃちいやつなんだけど…
でも、俺が初めて見たレギラの映画で、すごく好きなんだ。
馬鹿みたいだろ?」

「そ、そんなこと、ないです。」

レギラ以外の怪獣もたくさん出てきて、街を襲う。
人間たちはなんとか怪獣を追い払おうとするんだけど、全然適わなくて…
そこに、レギラが現れ、怪獣たちと戦うっていうようなお話だった。



不思議なんだけど…なんだかすごく懐かしい想いがしたんだよね。
そして、その想いは、レギラが他の怪獣にやられて血を流し、身を震わせて大きく吠えた時、ピークに達した。



(……知ってる。)




私…この映画を見たことがある。
レギラの映画を見たのは、後にも先にも一度っきりだから…
そうだよ…お義父さんと見に行ったのがこの映画だったんだ。



そして、その時…私は今までずっと忘れてたことを思い出した。



『僕はこれからレギラのように強くなる。
そして、君やお母さんをずっと守って行く…』



お義父さんはそう言ったんだよね…
私はその言葉に、耳を塞いだ。



お義父さんは、本当は何も悪くない。
真面目で優しくて…私のことも、まるで実の子みたいに可愛がってくれた。



でも、お義父さんに懐くことは、本当のお父さんを裏切ることになる。



私はそう思ってたんだ。
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