恋のキューピッドは怪獣でした!
本当に申し訳ない。
史郎さんがそんな純粋な想いで働いてたことも知らずに、遊び惚けてるだの、愛情のない女性関係まで妄想してしまって…



「俺は、いつでもやることが遅くて失敗ばかりだ。
もっと早くに始めてたら、少しは二人の役に立てたかもしれないのに。
でも、その前にわだかまりもなくすべきだった。
……本当に、我ながら自分の愚かさには呆れるよ。」

「そんなこと、ありません!
本当にそう思われるのなら、今からだって……」



(あ……!)



「し、史郎さん!
明日、おじい様たちのお墓参りに行きませんか?
そこで、おふたりに史郎さんの本心を伝えるんです!」

「墓に向かって言ったって、そんなの…」

「伝わります!!絶対に伝わりますから、行きましょうよ!
……お願いです!」

なに、熱くなってるんだ、私…
でも、少しでも史郎さんの心の負担を軽くしてあげたくて…
とにかく、私は必死だった。



「……そういえば、最近はあまり墓にも行ってなかった。
わかったよ、じゃあ、そうしよう。」

史郎さんがそう言ってくれて、私は嬉しくて何度も頷いた。
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