恋のキューピッドは怪獣でした！

「ま、マジで３６なんですか？」

「あぁ、そうだけど…なにか？」



なにか？じゃないでしょ。
どう見ても若すぎでしょ！



でも、３つの年の差なら、確かにそれほど問題はない。
……じゃなくて！！



「史郎さん、本当に私のことが好きなんですか？
こんな何の取柄もないおばさんのどこが好きなんですか！？」

「……君は、生活費を嘘偽りなくきっちりと管理してくれた。
今までの家政婦さんたちとは全く違う。
それに、家事にも全く手を抜くことがない。
以前、言ったことを覚えてないのか？
俺は君を信頼してるって言ったはずだ。
君みたいな人は本当に初めてだった。
そもそも、出会った時からそうだった。
レギラを壊されたのはショックだったけど…あれは、俺にも責任はあった。
なのに、君はちゃんと責任を取ろうとしてくれたし、うちにも来てくれた。
でも、どうせ長続きなんてしないと思ってた。
万一、続いてもここまでしっかりやってくれるなんて思ってもいなかった。
実は、君のノートも見たんだ…」

「ノート…？」

「あぁ、手島さんに習った料理のことなんかがイラスト付きで描いてあった…
まさか、あんなに真剣に料理と向き合ってるなんて思ってなかったから…すごくびっくりした。」

「あ……」



そういえば、ノートを台所に忘れてたことがあった。
恥ずかしいな、そんなのまで見られてたなんて…



でも、嬉しいよ。
私のこと、そんなに評価してくれてたなんて…
私が頑張ってたこと、ちゃんと見てくれてたんだね。
嬉しくて、涙が止まらない。



「今まで俺は結婚なんて考えたことはなかったけど……君となら一生一緒にいられそうな気がするんだ。」

「そんな……」

感動で胸がいっぱいで、私は何も言えなくなった。
言葉の代わりに、涙だけがぽろぽろこぼれる。