恋のキューピッドは怪獣でした!
***



「王妃様、王妃様。」

「え?」

振りむけば、私の傍には侍女らしき女性が何人か着いていて…
私は床まで届く長いドレスを着ている。



「国王陛下がお待ちです。」

「そ、そうなの?」

意味も分からないまま、私は歩いていく。
周りは、古い西洋風の建物が並んでる。
あ、侍女らしき人たちもみんな西洋風の顔してる…
あれ?だったら、なんで、日本語しゃべってるんだろう?



しばらく歩くと、なぜだか急にお城の中にいた。
玉座にいるのは王様。
そう、その王様は史郎さんだ。



「王妃、そなた、家事をさぼったな。」

「え?わ、私…そんな…」

「この期に及んで言い訳をするつもりか?
ええい、見苦しい!
皆の者、王妃を捕らえるのだ!」

「はっ!」

兵士たちが槍を手に、私を捕まえようとする。



「ええっ!?」

私は、ドレスの裾を踏まないように両手で軽く持ち上げて走る。
必死で階段を駆け下りて、なんとか外に飛び出した。
耳をつんざくような雄叫びにふと振り返ると、そこには見上げるような怪獣がいて、私を追いかけて来る。



「だ、誰か…助けて~~!」



私は泣きそうになりながら、息も絶え絶えに逃げ続ける…
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