恋のキューピッドは怪獣でした!
私が悩んでたら、廊下を歩く音がして…



「あれ?」

「あ、お、おかえりなさい。」

足音の主は史郎さんだった。



「何?今からめし?」

「え…夕食の準備はしてあります。」

「え?」

史郎さんの手には割と大きなレジ袋。
あれ?もしかして……



「まさか、夕食の支度してくれてるなんて知らなかったから、一応、弁当買って来たんだけど…」

「え…そうなんですか?」

「……カレーだよね?」

「は、はい。カレー、お好きですか?」

私が訊ねると、史郎さんは子供みたいに微笑んで…



「うん、大好き。」

なんだろう?今、すごくキュンとした。



「じゃ、じゃあ、すぐに支度しますね!」

なんだか急に恥ずかしくなって…赤くなった顔を見られたくないから、私は史郎さんの背を向けた。
カレーとオニオンスープを温める。



そうだよね。
元々、史郎さんってイケメンだもん。
イケメンの笑顔には、おばちゃんだってキュンとするよね。

あ、そうそう。フランスパンを切ってチーズ乗せてチンしないと。



「家に入ってすぐにわかったよ。」

「え?」

「カレーのにおい。」

「あ、あぁ、そうですか。
何がお好きかわからなかったので迷ったんですけど、カレーなら多分大丈夫かなって…」

「そうだね。大正解!」

なんだか、今日の史郎さんは機嫌が良いみたい。
それとも、カレーのせい??
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