恋のキューピッドは怪獣でした!




「ご馳走様。……じゃあ、俺、出掛けるから。」

どこに?と訊きたかったけど、そこはぐっと我慢してただ曖昧に微笑んだ。



「行ってらっしゃいませ。
夕飯は、何時頃にされますか?」

「昨日くらいで…」

「わかりました。」

私は、史郎さんを見送ろうとしたけど、ついてこなくて良いって言われたので、台所で片付けものに取り掛かった。



それにしても、こんなに早くから一体どこに行くんだろう?
服装はごくカジュアルな感じ。
間違っても仕事って風には思えない。
こんな大きなお屋敷に住んでるんだもん。
絶対にお金持ちだと思うし、きっと仕事なんかしてないよ。



(と、なると……)



やっぱり、遊びだよね。
怪獣が好きみたいだから、その手の人達との集まり?
イベントか何かあるのかな?
って、史郎さんが何をしようと、そんなこと、私には関係ないんだし、考えることない。



それにしても、今日は早起きした割にはなんとなく元気な感じ。
朝ご飯をしっかり食べたせいかな??
鼻歌まじりにちゃちゃっと片づけを済ませて、私は部屋に戻った。
今日は、とりあえず自転車を買いに行かないと。
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