恋のキューピッドは怪獣でした!
「ご馳走様、今日もとても美味しかったよ。」

「あ、ありがとうございます!」

美味しかったって言葉、本当に嬉しいな。
頑張って作った甲斐がある。
それに、こうやって差し向かいでご飯が食べられるって本当に良いな。
特に、史郎さんはイケメンだし。



(あ…そうだ!)



「あ、あの…お金のことなんですが…」

「何?足りなくなった?」

「いえ、そうじゃなくて…
今日、自転車を買わせていただきました。
これがそのレシートです。」

「いいよ、そういうのは。」

「え?」

そういうのって……何??



「レシートは見せなくて良いってことですか?」

わからなかったから、わざわざ訊いてみた。



「そういうこと。
お金は足りなくなった時に言ってくれれば、それで良いから。」

「はぁ…」

そんなので良いのかなぁ?って思うけど、それで良いって言われたら、それ以上、私があれこれ言うことはない。



(そうだよ、私よりずいぶん若くても、史郎さんがご主人様なんだもの。
私はご主人様の言うことに従ってればそれで良いんだよ。)



「あ、あの…お金をむき出しで入れとくのは、なんか不用心過ぎるっていうか、心配なんですけど…」

「大丈夫だよ。
狙うならあんなはした金より、金庫を狙うはずだし。」

なんですと!?
あれがはした金?
そして、金庫?
お金持ちの考え方にはついていけない…!
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