恋のキューピッドは怪獣でした！

あぁ、私の馬鹿馬鹿！
どんなに史郎さんのことを想っても、私には可能性なんて１パーセントもないのに。



いや、ちょっと待て…そもそもこの気持ちは何なんだろう？
……もしかしたら、恋愛感情じゃないかもしれない。
ずっと、彼氏もいなくて、家族とも離れて寂しい生活をしてたから、史郎さんと一緒にいられることが嬉しかっただけなんじゃないかな？
だって、私は年下ってあんまり好きじゃないもの。
今まで付き合った人の中にも年下はいなかった。
私自身があんまりしっかりしてないせいか、年下はどうにも頼りなくて…
だから、史郎さんにも惹かれるはずがない。



（うん、やっぱり恋愛感情とはちがうものだ！）



なんだか、自分自身がとても可哀想に思えて来た。



そっか…私、そんなに寂しかったんだ…
そして、そのことにも気付いてなかったなんて…
本当に馬鹿だな。



お父さんが病気で亡くなって…
二年もしないうちに、お母さんが再婚して…
どうしても義父になじめなかった私は、高校を卒業するとすぐに実家を離れた。
それからは、お母さんとも疎遠になって…



そう…私はひとりぼっちだったんだ。
私には帰る家もなくなって、頼れる人も誰もいなくて…
本当はとても心細くて不安で…



そんなことを思い出したら、急に涙が溢れて止まらなくなった。