恋のキューピッドは怪獣でした!
次の日…派遣最後の日は、さんざんなものだった。
前日まったく眠れなくて、涙も止まらなかったせいで、顔は酷いことになってるし、頭もぼんやりしてるし、頭痛もひどくて、ミスばっかりしてしまった。



職場の人には「お疲れさん」の一言も言ってもらえなかった。
まぁ、派遣の扱いなんてそんなもんだよね。
私も端から期待なんてしてなかった。



さぁ、明日からは本格的に家事を頑張らなきゃ!
昨夜、散々泣いたおかげで、なにかが吹っ切れたような気がしていた。
とにかくがむしゃらに頑張ろう!
くだらないことなんて、考える暇もないくらい。







「おかえり。」

お屋敷に帰って、夕食の支度に取り掛かろうとしていたら、史郎さんが台所に現れた。



「あ、ただいま戻りました。」

「お疲れ様。今日の献立は?」

「麻婆豆腐にしようかと思ってるんですけど。」

「あぁ、良いね。
けっこう好きだよ。」

「良かったです。すぐに支度しますからね。」

「うん、待ってるね。」

そう言うと、史郎さんは台所から去って行った。



今日の史郎さんは、どことなく機嫌が良い。
彼女さんと会った後だからかな?



(あ…また余計なことを…!)



私はぶんぶんと頭を振り、夕食の支度に取り掛かった。


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