恋のキューピッドは怪獣でした!
「だから、さっきも言っただろ!
出来もしないことを言うなって!」

「どうして、そんな風に決めつけるんですか!
私がよほど貧乏人に見えますか!」

まさに、売り言葉に買い言葉。
喧嘩は嫌いだけど、向こうがイライラした口調で言って来るから、こっちもつい同じように苛ついてしまった。
考えてみれば、私だけが敬語で喋ってるのもおかしな話だ。
あっちの方が年下なのに、なんでタメ口なのよ!



「……全く、わからない女だな!
そこまで言うんなら、面倒だが説明してやる!
このガラスの残骸は、数量限定シリアルナンバー入りの世界に1000個しかない貴重な置物だ。
1000個だから、抽選で当たった者しか買えない。
それをあんたはどうやって弁償するっていうんだ?
オークションででも探してくれるのか?
レギラファンは多いし、おそらくオークションにも滅多に出ない。
万一、出たとしたらそりゃあ法外な金額だと思うけど…」



(……レギラ?)



「あの…レギラって……?」

「えっ!?あんた、レギラを知らないのか!?」
あのレギラを本当に知らないのか?」

男性は、目を大きく見開いて私を見てた。



(え?そんなに有名な人なの?
レギラって確か、怪獣でいたけど、まさかそれじゃないよね。
それ以外に、レギラってだれかいたかな?)
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