恋のキューピッドは怪獣でした!
でも、この笑顔は彼女さんのもの…
って、何考えてるんだ!?
いやいや、可愛いものは可愛い。
ただそれだけのこと。
違う、違う!これは恋愛感情なんかじゃないから!!



「……あれ?暑いのか?
顔が真っ赤だぞ。」

「え?い、いえ…
そ、その…レギラのコレクションがすごすぎて、つい興奮してしまったようです。」

「そうか…」

まただ…その可愛い笑顔、やめてよね。



「あ、あの、ここのお掃除は史郎さんが?」

「あぁ、万一のことがあったらいやだからな。
それに、ここは掃除するのも楽しいんだ。
レギラに囲まれてるからな。」

「そうなんですね…」

そういうものかもしれないな。
大切なものは他人には触らせたくないよね。
特に、私は以前オブジェを割ってるから、余計に嫌だよね。
ここを見せてくれただけでも奇跡に近いのかもしれないね。



(……あれ?)



私はある違和感に気が付いた。
ここはどこもかしこもレギラだらけで、生活感が全くないんだ。



「史郎さんは、この部屋で寝られてるんですか?」

「まさか、ここはレギラだけの部屋だ。
隣の部屋が俺の部屋だ。」

そりゃあそうだよね。
もしかして、ここには布団もテレビもなにもないもの。
考えてみれば、この豪邸だもん。
部屋数はまだいっぱいあるもんね。
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