恋のキューピッドは怪獣でした!
「ねぇ、コーヒー飲ませてくれない?」

そう言って、手島さんはテーブルの席に着いた。



「はい。わかりました。」

なんとなく感じの良くない人でいやだなぁと思いつつも、だからと言って、コーヒーも出さないっていうのもおかしいし…
私は、コーヒーの準備をした。



「お待たせしました。」

あつあつのコーヒーをテーブルの上に運んだ。



「あら?これだけ?
何か、お茶うけになるものはないの?」

「あ…すみません。」

確か、ビスケットがあったはず。
私は、それをお皿に乗せて運んだ。



「何?これ?」

「え?ビスケットですけど…」

「そんなの、見りゃあわかるわよ。
こんなものしかないの?」

「えっと、あとはチョコレートが少し…」

「そんなのお茶うけにはならないでしょ。
スーパーでケーキ買って来てよ。」

「えっ!?」

「さぁ、早く!もたもたしない!」



手島さんに急き立てられるようにして、私はお屋敷を後にした。
なんて、厚かましい人なんだろう?
内心ではイライラしてたけど、とにかく手島さんの押しの強い言い方に負けてしまい、私は自転車を走らせていた。
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