俺のまさかの溺愛狂想曲

「雄吾。あなたが裏切ったんだから
 仕方ないじゃない。

辛いのは私で、貴方じゃない。
なんであなたが辛そうなのよ。
私だって、あなたの家族に
なりたかったわよ。
でも、無理でしょ。
お嫁さんは2人もいらない。

人の使った物は使いたくない、
イヤなの。
毎回言ってたでしょう。
忘れたの?」

雄吾は

「‥どう‥して?許せ無いんだよ。
 俺は結菜だけを見て来た。
 愛してるから…。

4年だぞ、そんなに簡単に終われ
るのか?
結菜、結菜、オレは別れたくない。」

結菜はクルリと体を雄吾に向けて
言った。

「四年でも昨日1日でも浮気は
浮気よ。簡単に終わらせたのは
雄吾でしょ。

 あなたが、私との関係を終わらせ
たのよ。
 溝に落ちた綿飴べれる?
 食べろと言ってるのと同じよ。

 あなたは溝に落ちた綿飴なの
 食べれないのよ。

 私が他の男に抱かれてもいいの?

 雄吾が初めての彼氏だから浮気し
ました。
 違う男がどんなのか試しました。
 許して、遊びました。
 愛してるのは、あなだだけ 
 心はあなたあるの!!そう言ったら

許せるの?

溝に落ちた綿飴は汚れてても
成分はいっしょだよ、大丈夫!!
君なら美味しくたべれるよ。
そういってるんだよ。
溝に溶けて食えないよ。
相当な、覚悟がいるよ。

もう、綺麗なピンク色じゃないよ。
何もかも汚れて
臭くて・・・気持ち悪い。
元のふんわり丸い、甘い、いい香り
の綿飴にしてよー!!


そうしたら何もかも
元通りじゃない。

でもそれは不可能でしょ。

≪≪どうして裏切ったの!!""
信じられない雄吾が一番好きだった
のに!! 許せない、まして 
相手が夏華だなんて、
マヌケ過ぎる。泣ける🤣》》」

雄吾はガタガタとうなだれ、
3人の前で崩れ落ちた。

「ゴメン!もうしないから
 許して欲しい。本当にゴメン。
 何でもする。
 別れるのだけは、許してほしい。」


「いいの、いいの!!
 もう、怒ってないよ。」

   
     「えっ。」
 雄吾は少し安心した顔をする。


 「結婚式、来年にしといてよか
ったわ!!

  雄吾もそう思うでしょ。
  仲人さんもまだ決めてなくて、
  本当に良かったよ。」

結菜は婚約指輪をはずし ポイッと
雄吾の足元に投げた。

コロコロコロンと転がって何回か
回転して、カチャンと止まった。

そこにいた全員の目が、指輪を追った。

 「だって!あなたとはもう何の
関係もないし、赤の他人何だし
  怒っても仕方ないじゃない。」

「貰った時は凄い宝物だった。
 嬉しかったし…
 今はただの金属にしか思えない。
 愛情の抜けおちた指輪はもう、
 あなたと私を繋げない。

指輪に終わりがないのなら、終わら
せるまでだよ、アハハハハ終わらせたの
あなたじゃん。
外して捨てたら簡単に終わったー。

ジエンドー

指輪に終わりが無いのは、指にはめ
てる時までだよ。

ほらぁ、結菜は左手をパラッパラッ
と振って見せた。

外せる程、辛いこともない限りは
終わりは来ないかも知れない。
だけど裏切り一つで簡単にはずせる。

雄吾覚えていたがいいよ。
女は男程、甘くない‥よ。」


夕焼けが赤く4人を染めた。
カラスが2羽、ゴミ収集所の所で仲
良く寄り添っていた。

結菜は、カラスを見て言った。
「カラスってね、番(つがひ)が死ん
でても、側をなかなか、離れない
んですって、
 死んだ烏丸に近ずくと、攻撃する
カラスも いるんだって・・・。
 私達もそんな絆の深い夫婦になれ
ると思っていたのに・・・。」


カラスは黒い翼をバサバサっと、羽ば
たいて見せ、夕焼けの空に飛びあが
った。

ガアガアガアガア、黒い羽を大きく
広げながら シューツと、上昇し重
なり合うように
二、三回、回転をした。
グルングルン
見上げる4人を、小馬鹿にしたよう
にグルーリと、頭の上を 
ザザザザーバサバサバサと
羽音を豪快にたてながら・・・

二羽、つかず離れず仲良く塒に帰る
のだろう。

カラスの愛情の方が確かなんだと
羨ましいと思いながら
結菜はカラスを見送った。
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