俺のまさかの溺愛狂想曲
その後ろ姿を見送っていた光寿郎に
容姿のいい男が声をかけて来た。
光寿郎は、何故か結菜の元カレだと
ピンと来た。
「もしかして雄吾さん。」
名乗る前に名前を呼ばれ、動揺して
いたのが明るさまに分かった。
「結菜と…どうゆう関係ですか?!」
ストレートに聞かれ‥
『この男は・・・ヤッパリ
結菜の元彼か?』
と雰囲気からもそう思えた。
「あなたの事を、洗いざらい聞かせ
てもらった男と言ったらおわかり
ですか?」
(嘘ではない!)
彼は顔を強ばらせ、震えながら気持
ちを押さえ込んだのがよくわかる
すごく動揺していた。
光寿郎は、何故かコイツに結菜を
取られたくないと言う感情が湧き
上がり、
「あなたは何故彼女を手放した?
浮気しても心から誠意を
見せるべきじゃなかったのか?
まず彼女の親友の色仕掛けに
負ける事事態異常でしょ。
ただの友人ならまだしも、親友
なのに・・・
彼女はもう、立ち直っている。
今更、困らせるな…!」
自分でも何故こんな事を言つたのか?
解らないが今は結菜をそっとして
おきたかった。
「後悔しています。
まだ彼女を諦めれないんです。
天真爛漫な所とか、よく食べる顔が
可愛くていっも、思い出しては、
苦しくなります。
・・・こんな事言えた義理では有りま
せんが結菜をぼくに、返しては
もらえませんか?
本当に後悔しています。」
彼は随分憔悴しきっていたが、
「無駄と思います。
結菜は諦めて下さい。彼女の心は
もう貴方にはない。
浮気しただけでも辛い思いを
したのに相手は彼女の親友でしょ。
結菜の元親友の彼女を大事にしたら
どうですか?
結菜を棄てる程、
いい女だったんでしょう。
浮気バレしたときの事
考えなかったんですか?
辛かったと思いませんか?
浮気するならそれなりの
ペナルティーが
あるとは、思わなかったのですか?
これ以上塩を塗るのは止めてくれ。
それに、あんたに結菜を任せられな
い。
結菜をあなたに返す気はサラサラ無
い。」
彼はうなだれたままでつらそうな
顔をした。
しばらくお互い黙り込んだまま
睨みあいに似た沈黙が続いた。
しかし光寿郎は、彼女の彼氏でもない。
何故こんなに一生懸命に彼と結菜を
ひきはなしたいのか?
自分自身よくわからなかった。
めんどくさい事は関わりたくないと
いっも思って来た事だったのに‥。