俺のまさかの溺愛狂想曲
光寿郎は、携帯をコートに閉まって
電源を落としロビーに預けてレストランに
入って来た。
結菜の席につくと、ご機嫌斜めな
結菜に、オススメ料理を注文した。
いつものはどうされますか?
支配人が来て伺いをたてる。
「結菜はワイン飲める?」
優しく話しかける光寿郎に
「オレンジジュースしか
飲•ま•な•い•。!!」
とツーンとして答えた。
「じゃ、俺は、烏龍茶。」
「支配人すみませんが食べ物を先に
お願いします。
彼女お腹スキ過ぎて、機嫌悪くて。」
支配人はギョッとした。
いつもなら女性の方が彼を心配し
たり構ったりするのに、今日は
真逆の光寿郎を始めて見たのだ。
「わかりました。」
品のいい彼は静かに頭を下げて
紳士的にさって行った。
その様子から仕事で度々来るのは
本当らしい…。
結菜は
「一人で食べるから、あなたは
違うテーブルで好きな物を食べたら?。」
何となく光寿郎が気使いしてるのが
分かると少し申し訳なく思えてきた。
「女の人と食事する時はワイン
飲むんでしょう。飲みにくいなら、
私テーブル変わるね。」
「ダメだ!結菜と食べたいんだよ。
ワザワザ東京から来たんだぞ!」
少し低めに声を荒げる光寿郎に
腰をあげようとしたが
淋しそうに見えたので叉こしを
ドスンと落とした。
結菜は悪戯そうな目を輝かせて
「オゴリ?」と聞いた。
仕立てのいいスーツを着こなし
光寿郎は、コクコクと頷いた。
「どんだけ食べてもいいの?」
結菜の弾んだ声が響く。
「いいよ。腹一杯たべなよ。!!」
「下心合ったら自分で払うから。」
「不自由してないよ。
下心はないから安心して食べなよ。」
コースを堪能したあと
子供別メニユーのエビとホタテの
グラタン。
いよいよデザート
産みたてプリン
フルーツタルト
モンブラン
チョコレートケーキ
結菜はニッコリして
「出来ましたら二個ずつ、御願い
します。」
ニッコリ。
「え!! ゴメン俺甘いの食べれな
いんだよ。」
申し訳無さそうに光寿郎が呟くと
可愛らしい目を細めて
「エヘヘ。二個ずつ
お願いします♡」
と念を押した。
ずらりと並んだホテル自慢のスイーツ♡
「ウワア~♪♡、チョー旨そう。♡」
目をキラキラさせて
「n~n。おいしぃ~女の子に生ま
れてよかったああぁ♡♡!」
と足をバタバタさせる。
一つ食べるごとに、感激する結菜を
見て
『ほんっと、かわいーな!!
今までの女って何だったんだ。
赤い口紅に厚化粧。
直ぐ俺を自分の物にしたがる。
結菜はまるで逆だ。』
口をモゴモゴさせながら、リス
みたいな顔をして上目ずかいで俺を
じっと見る。