俺のまさかの溺愛狂想曲
車を降りるが行きたくない。



ズズズーっと引っ張られ
歯科医院のドアを内側から開けられ
中には,綺麗な女性がたっていた。



「おう、美加悪いな!」




彼女とは随分中がよさそうだ。

「ふふっ、てこずってるみたいね。
    彼女?」



大人の雰囲気を、醸し出しながら
彼女は、綺麗な顔でニッコリと微笑んだ。



「今、手こずりながら落としてる
とこ。」

「へぇ~おまえがぁ、みんなビックリ
 するぞ!!
 お前に落ちない子いるんだな?
 へぇ~。」

中からオレンジの帽子にマスク
オレンジの術着を、着て歯医者さん
特有のスタイルで、彼の友達らしき
男の人が出てきた。顔は全くわからない。
余計にビビってしまう。




銀縁メガネの奥から、目だけが異様に
光って見えた。
に!!逃げるなら い、今かも



体を起こすと、
「もっと上にきてください。後10㌢
程。」



こなくていい光寿郎がやってきて


  「すぐ痛くなくなるからな!!
   がんばるんだぞ!!」



必死に手を握ってくる。
(だからぁ、おまえがいたら 逃げれん
んだってばっ!! )



歯科衛生士の美加さんが光寿郎の
必死の形相を見て、
ブフフフーツと吹き出した。
口がよがんで目がグワーッと見開い
てるまさに変顔!。




「祐輔みてよー。色男が台無し」



しばらく二人は大声で笑った後叉
悪魔のような顔つきになった。


「真面目にやるぞ美加!
 祐輔を追い出せ」


(`_´)ゞ了解!
祐輔は退場させられていた。


麻酔が効きにくいことを何度も
つたえた、しっこいくらいに。


「本当にきかないんです。««(OωO; )
 だっだから‥効かなくて‥」




「ああ、居ますよ。
 効かない人、大丈夫だよ。」


 「え‥で、ですから‥。
  大丈夫じゃなくっ‥てぇ。」

 
「はい、口を大きくあけて下さい。」



チラリと右を見ると光寿郎がいて、
しっかり手をにぎってくれてる。



「おい!おま…、しょうもな!!」



歯医者さんと美加さんんの
二人は合わせたように光寿郎をみた。
光寿郎も口を大きく開けている。





「頑張れ…、頑張れ…。」
小さな声で応援しているもよう。




下から見る先生は、虫歯をシッカリと
見据え、敵をみっけた虎のような目
をしている。
ウグッ思わず生唾を飲む。
≪コワツ#(OωO; )ノ≫




注射の針がまっすぐささる。
き、キター
アガアガッウグッ@#*&※§※☆●▲



「暴れると、もっとー、痛いですよ。」
 冷えた悪魔の声‥

(||☆Д☆)ヒィィィ!ヒイィ
ゴッ殺される~、

キキーングエッ
ウウッ針がぁ針がぁ刺さるう
しっかり目をっむる。




光寿郎の手をシッカリ握る。
光寿郎もシッカリ握って、腕相撲
みたくなる。

「頑張れ・・・結菜!」
と励ましてくれる。



硬直していると注射が
終わっていた。


全身隈無く力を入れて防御してた
せいか、すーっと力が抜ける。
其れだけでグッタリとなる。




何故か光寿郎もグッタリ。



「うがいしてください。麻酔がきく
まで時間置きますね。」



彼女は先生の妻らしい。
優しいホッする声、何故か安心感を、
覚える。



唇に痺れが走り、フライパンでも、
ぶらさげたような変な感じ!



そんな私をほっぽって、
3人は同級生で話も弾んでいた。



「知ってるか?」

      「なにを?」



「大夢のやつ、大門の孫娘の養子婿に
 狙われてるらしいぞ。」



「エ~マジ大門からか~w」



大夢さんは光寿郎の親友らしい。



 「マジか!!アイツも年貢の納めど   

   きだな。」

「あらあ~大夢には彼女いたじゃ
ない。いっか、どんな子ってつけて
ったじゃん。」

「ああ~、あのポッチャリとした
 可愛い娘ね。」
 と歯医者さんは
 思い出したように聞いていた。


   「それがさ、
居なくなったんだ       
って、大夢落ち込んでサ
    探しまわってるよ。」

光寿郎が言うんだから本当だろう。
と二人は驚いていた様子だった。

「じゃあ婿養子は ガセね。
あの執着は、恐ろしいくらいだもん。」
 
  「だよね。大夢から逃げれ
   無いワ。」


「ヴイーンヴイーン、ヴイ~イ~ン」

      「イタツ!!」
「本当に効きにくいですね。
少し追加しましょう。」

 ゲゲゲーつ!!まさかの
   チクリ~キーン
 ウワァーッ痛いトコに命中!!

 「ハーイもう一回チクリときますよ。#☆  &*@#*◆★☆§◆▼◐◯」
    

頭に突き抜けるようないたみのあと
《ガ~あ“”う~ぐおっ
ハッハッハッは一》

涙がポタリと落ちる。

光寿郎がしっかり顔を寄せてくる。
      
  「結菜、泣くなよ。
   直ぐおわるから。」

『すぐ終わるわけネーヨ!!痛い
どころじゃねーよ。』
 結菜は光寿郎をぶったたきなる
くらい痛かったが、理性が働いて
 我慢した。



歯医者さんが注射器を、置いて
光寿郎の頭をゴチン、   
 イタ



「心配なのは解るけど、離れろよ。
 小学生かよ。あぶねーだろ!! 」



「ああ~、はい。」

ノソノソと離れて行った。
しかし回りをウロウロ、ウロウロ。

其れからはスムーズに進んだ。

麻酔も良く効いて来て違和感は
ハンパないが、頑張れた。
何回か通わなくちゃ行けないみたい。


痛み止めと化膿止めを貰って
御礼を言って病院を後にした。


二人を見送った、歯医者さん夫婦は



「はあ~小学生よりひでえな
大丈夫かよ。

俺らもぐったりだよ。
今年初めての手こずる患者さん
じゃね。
23か、7つ下だな。
しかも、めんどくさい保護者付き。

みたかよ光寿郎の心配な顔。ブフフ

死ぬか生きるかみたいな!たかが
小さな虫歯にさ。」
クスクスクスクス



「でも、光寿郎ってあんなに
面倒見良かったっけ?」



「初めて見たわ。
女の人が、やってくれるのが
当たり前みたいな奴だったのにね。」


美加も祐輔も長年付き合った仲だから
意外な光寿郎の姿に驚いていた。

  「ハハハハハマジだ。」


「さあ、
明日は旨いワインが手にはいるぞ。」

「明日はステーキにしようか。
俺焼くよ。」
「いいね~。でも、可愛らしい子
だったね。」
美加は笑いながら後固唾毛を始めた。

「そうだな、今日はじゃあ食べに
         いこうか?」

「うんうん賛成やったー」



「あの二人オモシロそうだな。
皆に集合かけなきゃな。
 タラシの光寿郎がメロメロとは‥
 ニ人で鑑賞するには、
もったいない。
     ハハハハハ !!」

「もうっ、祐輔笑いすぎ
 だけど‥愛莉がね。」

      「ああ~、ね。」



バタン
「結菜痛かったか?」
光寿郎は、結菜の頬に掛かった
髪をなでる。

「うんうん。でも、ありがとう。」

光寿郎の運転する車のドアを閉めて
シートベルトをする。

「だけ?
ご褒美のKissとかお礼のキスとか? 
ないの?ない?」

光寿郎は結菜を見ながら期待して
みる。

  「ないっ!!」
バッサリ
結菜が住む新しいアパートは、
わりと光寿郎のマンションの近く
にあった。


「ウンッ?、そう言えば何で
アパートわかった?」

「エッ、え"え"っと‥それは?
良いじゃないか、ハハハハハ」


チツ
「怪しい。光寿郎危ない
大人じゃないよね。」

「ナイナイ、結菜が心配なだけ!! 」

まあそのお陰で助かったから
追求はしないけど‥

まあ椿さんの孫だし大丈夫かっ。

光寿郎は、結菜を下ろすとそのまま
帰って行った。

なんだか携帯を気にしてるみたいで
ソワソワしてた。

かなり怪しいが別に彼女じゃないし
彼が何しょうと監視する意味もない。

私には優しくて、頼れる男だけど
それ以上深入りは止めよう。

かかった費用も返さないと。 

歯の痛みでわかんなかったけど
キッチリしないと気がすまない。


御礼のワインって幾らだろう。
10万?

それ以上は厳しいなぁ…

あの痛みから、解放されたんだから
仕方ない。

仕事終わったのにわざわざ、観て
くれたのだし、それもこんなに
遅い時間に、有り難い。



九条家の堀リだしワインを期待
されてんのかなぁ!! どーしょう?


光寿郎の友達ダシッ、!!
仲良さそうダシッ!!
金持ちっていくらのワイン飲むの??

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