俺のまさかの溺愛狂想曲
帰りたくない。
光寿郎が来てるかもしれない。
ウロウロとデパート回ったり本屋
さん寄ったり、時間潰すのは
難しい。
ふと思いだした明日から2連休だよ。
ふと頭の中に長崎のケーキ屋さん
が浮かんだ
あのモンブランロールまだ食べて
無かった。
ん~ったべたーい。
あのお店のだもん。
旨いにきまってるっ
急いで会社に電話してキャンセル
ないか聞いてみた。
「ああ、あるよ。」
ヤッター明日早いけどキャンセル
出ていた。急いで帰ったら、
アパートの前にデデーンと横付け
された高級車!
「・・・OH~来てるって、」
コッソリ階段を上がると
ライトがピカピカ光った。
何で来るの?彼女いるのに。
然も感よすぎ。
白いセーターにジーンズの光寿郎は
ムツツリした顔つきで現れた。
「結菜何だよ。
‥
何かあったのか?」
沈黙が続く。
そんな中 結菜がポツリと呟いた。
「光寿郎は、どうしたいの
私と?彼女いるでしょ
何がしたいの?
彼女に悪いと思わないの?」
「ハ?彼女なんていない。」
「いる、いないはアナタの勝手
だけど!もう関わりたく無い。
どうしたいの?
何がしたいか教えて。」
光寿郎は黙っていたけど、重い口
を開いた。
「結菜が好きだ。
分かってるだろ!!だから
お前といたい。」
「いたいだけ?でしょ。
その先の覚悟が無いでしょ。
無理だよ。誰かといたいな ら違う人を探してよ。
今日あの人もいってたよね。 浮気は許さないからって
あの人彼女じゃないの?」
「ああ!! 聞いてたのか?
ヤッパリ結菜来てたんだな!!
来るなら
俺に連絡しろ!!
結菜の呼び出しなら飛んでいくから。
それに、あいつは、彼女じゃないよ。
ただ、30まで、誰とも結婚しな
かったら結婚してあげる。
って言われた事があって、
じゃあ、そん時は宜しく。
って言っただけだ。
勘違いするなよな。」
[それダメじゃん。
彼女、彼女の気分でいるよ。
私無理!
たとえ光寿郎が違うって言っ
ても納得しないよ。
だから‥
私とは無しだから。」
耳の垂れたシエパードがうずくま
るようにションボリとしている。
オイオイ昼間のオーラぴかぴかの
光寿郎は何処に消えた?
結菜が強めにでるといっも光寿郎は
こんな目をする。
揺れちゃ駄目。
「私は、普通の恋がしたいの。
正直、朝までは光寿郎かなって
思ってた。
だけど何人とつきあってたか知ら
ないけど、その人達が納得するかな?
愛を囁いて行為してたんでしょ。
急に別れて納得する?
女を甘く見ちゃダメじゃん。」
長い沈黙が流れた。
「ふーっ、そだな。」
光寿郎は車に向って静かに歩きだし
鍵をピッと押すと車に乗り込んで行った。
車は動かない。
結菜は、彼は少し反省したがいい。
そして結菜も再々出発。
胸は少し寂しいがまだ付き合った
訳じゃない。
なのになぜか涙が出てきた。
不意にバタンと音がして背中が
暖かくなる。
「何で泣いてる。」
「‥ 」
「何で泣いてるんだ、?」
「あんたが馬鹿過ぎるから。
タヒ ね。」
光寿郎の甘い臭が 結菜のうなじに
染み込む此処で 負けちゃダメ
じゃんワタシ。
「みんなとちゃんと切れてくる…から
愛莉にも説明する‥」
「彼女とは‥どんな仲よ。?」
「会社の女には手を出さない。
俺はそんなに馬鹿じゃないよ。」
結菜の涙に濡れた手を撫でながら
本当に愛おしいと思った。
目も鼻も、グチャグチャで汚かったが
汚く無かった。
ただ、顎の回るお喋り娘の、
食いしん坊がずっと笑っていられる
ように守ってあげたいと思った。
光寿郎が、30歳になるまで
覚えた事のない感情だった。
結菜が愛おしい。
彼女達からの応援MAIL
エ~やーだぁ
いいわ、潮時ね。
えーっ本当に嘘でしょう。
仕方ないわ。私も結婚するし
ありがとう。
本気で言ってるの?帰って来ないでね。
ア~寂しいけど、やっと本気の恋したのね。
そう、幸せにね。
セフレ七人、摘み数名
みんな本気じゃない姉みたいな女
ばかり30~50の俺の人生の女達
皆年上だったのに、本気で惚れた
女は7歳下の23歳、世の中分から
ないなぁ。
俺の好みは、甘やかしてくれて
甘えたい年上だったはず なのに
鼻っ柱が強い結菜にはメロメロ
説明出来ないんだ。
何で年下?
と聞かれても、今まで
≪年下なんて有り得ない≫
が
口癖だった。告られても、それを
理由に断った。
セフレもちゃんと割り切れる女
一緒にいて楽しめる女
誰かれ構わず手を出していた訳
じゃない。‘
おれにも、選ぶ権利ぐらいの力量はある。
何で、あの子と聞かれても
仕方無いだろ、惚れたんだから。
説明?出来るわけないよ、惚れただけ。