俺のまさかの溺愛狂想曲
“結菜に、会えない一週間がやっと
過ぎた。
光寿郎は、疲労感もあり、帰りの
ファーストクラスでスッカリ
寝込んでしまった。zzz
フッと気づくと、誰かの気配がある。
「フフッお目覚めですか?」
「あ、ああ眠っていた?」
ふと目を覚ますと柔らかなC A
の笑顔があった。
「随分、お疲れでしたね。
私、わかりません?」
いきなりな問いかけに頭が
回らない。
意味ありな微笑みを、向けてくる
彼女に、光寿郎は、ふと考えて、
「え~と!! 君、どっかで‥あった
っけ??」
また、彼女は「え~、-ショック」
と甘ったるい声をだして光寿郎を
ウルウルした目で見つめて来た。
「ワタシ、結菜の親友の夏華と
いいます。
田中夏華です。結菜と横断歩道で‥」
即答で返ってきた。
「あ、ああ、ああ、あの時の。
彼女。」
「よかったぁ、思い出して貰えて。」
凄く嬉しそうな声で瞳を、輝かせた。
「エツ、てことはキャビン
アテンダントさんなの?」
「はい。」
「そうかぁ、どうりで美人なわけだ。」
光寿郎はにこやかな笑顔を見せた。
「フフッありがとう御座います。
御名前聞いても大丈夫ですか?」
「ああ、いいよ。」
光寿郎は、ビジネスバックから
名刺入れを出し一枚抜くと夏華
に渡した。
「え~凄い。九条さん?
あの会社の九条財閥?
専務さんですか?」
「ふふふそうそう、跡取りですよ。」
「え~凄い。お疲れな訳ですね。」
夏華は得意な男殺しの甘い微笑みで
光寿郎を攻撃してきた。
普通ならここらで
『きみ、夏華さんだっけ?
良かったらこんと食事でも
行かない?うまい店行って
バ一で一杯どう?』
って来るはず。
しかし
「もう少し寝る。
つかれてるから…」zzz
一言光寿郎は、呟くと速攻寝て
しまった。
肩透かしを食らった夏華は
益々光寿郎が欲しくなった。
靡かない獲物、それも上等品!
益々夏華の闘争心に火がついた。
柔らかい笑顔の裏では夏華の
牝ヒョウが目を覚ましギラギラッ
とした目で獲物にメボシを
つけてノロノロと獲物の回りを
かぎまわる。
それに光寿郎は、見るからに
イケメン涼しげな目は夏華を
魅了した。
私の獲物だ!結菜にはわたさない。
強い闘争心が目をさました。
そう、サバンナの空を駆け回り
爪を研がしたハゲ鷹のような鋭い
眼差しで光寿郎を見た。
もう直ぐ成田に着くと
機内放送が流れ光寿郎は、
同行した秘書におこされた。
時間はもう直ぐAM9:00
結菜は仕事に出た時間だろうか?
同行の連中と秘書を先に帰し
少し寄る所があるからと
眠気覚ましのブラック珈琲を
カフェで飲み時間をつぶし
雑誌を買い
車を拾おうと玄関先で待って
いたら赤い車が止まった。
「九条さん送りますよ。」
「車の中から、夏華が声を掛けて
きた。」
「あ、君は、夏華さん。」
白いニットワンピースを着こなした
夏華が乗り込むように促す。
「どうぞ。」
にっこりとした顔で車のドアが
開いた。後ろから車がどんどん
入って来たので乗ってしまった。
「ちょっとこの先のウナギを食べに
行こうと思って、一緒にどう?」
社交辞令のつもりだったが以外にも
彼女は食いついて来た。」
「ウナギ大好き。行きますよ。」
ショートボブ、ヘアーの彼女は
大きなクルッとした目を細めて、
嬉しそうな顔をした。
ウナギ屋の親父さんは
父親の友人だ。NYの父親に
頼まれ土産を渡しに行った。
いかにも日本家屋と、いった作りは
昔話に出てきそうな、懐かしさがある。
黒い大きな暖簾を潜ると中からは
香ばしいまろやかな匂いが流れてくる。
二人でウナギを食べながら
結菜の話になった。
「結菜って良く食べるでしょう。」
「確かに、始めは牛より食うんじゃ と驚いたし。」
光寿郎は目を細めながらつぶやいた。
「ですよね~学生の時なんか
パクパク食べてて恥ずかしい
くらいだったんですよ。」
「ああ!!わかる、わかる
俺も少し恥ずかしいわ、
ハハハハハ。」
「ウナギ大好きだから
五善くらい軽く食べますよ。」
2人は結菜が光寿郎を向かえに
行ってつけて来たことを知らない。
ポインセチアの大輪の後ろで
二人の楽しげな話しを聞いている
ことも・・・
「嫌々もっと喰うだろアハハハハハハ。」
「ねえ光寿郎さん。
お腹いっぱいだと、眠くなり
ません?」
「えっ‥」
「どっかで休みません?
私もずっとフライトで疲れたな~。」
(嫌々不味いだろ。結菜の友達だし。
何より結菜一筋と決めてるし。)
「いやあ~残念。
社に戻らないと仕事山積み何だよ。
又今度ね。」
「結菜には言いませんて、
ちょっとした、火遊び何ですから。
なんなら私にしません?
結菜つまらないでしょう。
私なら退屈させませんよ。
私じゃ嫌ですか?」
「…は、どうゆう事?!!」
驚きつつも夏華の顔をみる。
「フフッ、だから‥男と女って
そうゆうものでしょ。」
意味あり気な目をして光寿郎をみて
ポッテリとした唇は、鰻のせいか
コラーゲンタップリの艶々しさを放ち
光寿郎もつい見入ってしまった。
「えっ!!あ…ああやっぱり
そう言うコト?・・・。」
夏華の誘っている意味がやはり
光寿郎の思った通りだった。
駄目だ!愛してるのは結菜
前の かっれまくった 俺ではない!!
「いやいやそれはまずいだろ…う?」
「お勘定おー ピクッ 願いします…。」
いやいや、まずいだろ!!と言い終わらない
うちに大きな声がした。
その、後ろの声に夏華が振り向いた。
「うっ!!」
その声に反応して光寿郎も振り返る。
「あっ!!」
「さあ~て、牛は帰ります。
ご馳走様でした。ホテルすぐ其処に
あるよ。
あ!夏華はお得意さんか?
光寿郎も‥お得意さんだよね。
いやぁ~お似合いだわ!!」
お店の親父さんに声をかけて
結菜の白い車、タン○L に向って
歩き出した。
後ろから光寿郎が追いかけてきた。
「結菜、結菜まてって
彼女とはさっき会ったんだ。
結菜の、友達だろ?」
「元ね、今は友達じゃない。
間違わないで
あんた入れて3人寝取られた
一度話したじゃない
忘れたの?でももういいわ。
夏華とは友達じゃない。
大嫌い。
光寿郎も彼氏じゃないから‥。
大嫌い。もう私の事、笑い者に
するのはやめて!!
凄く傷ついた。」
光寿郎は、後ろから抱きしめて
「ゴメン、そんなつもりじゃ
なかったんだ。
傷つけてゴメン。」
「ぎぃもぢぃ悪いからっ
ドンツ !!
放してぇーヨツ!! ドンッ!!」
イタイタイタイ
結菜は光寿郎の足をガンガン踏んだ
怯んだ光寿郎の、スネをボカッと
蹴り上げて
ピョンピョン痛がる光寿郎に言った。
「光寿郎に騙されるとこだった。
ヤバイヤバイ
フンッ夏華と地獄に落ちろ。
顔も見たくない!!」
「タヒね!!」
そう言って 白い車 タン○L に乗って
走り出した。