俺のまさかの溺愛狂想曲
「ハア~?来週?」


 光寿郎は、婆さんの話を聞きながら
 だるそうに叫んだ。
  
「爺さんの米寿、88の祝いだよ。」

 マジかーww


     「どこで?」

~婆さんの顔を見て聞いた。

「ハワイで!!」
「いつ?」
光寿郎はめんどくさそうに聞いて
きた。


「来週日曜日。私は明日から行くけど
 光寿郎はどうする?」

「じゃあ‼ 結菜連れて行きたいん
だけど・・・」


「あ‥、あ‥えっと、そのォいいん
じゃないかい。連れていきな!!絶対。」

光寿郎は、結菜に電話すると
おじい様のお祝い事ならまだ
ちゃんとしてないから、ビックリ
されるし気を使いそうだから
もう少し、してからと言うので 
承知した。


その三日後光寿郎は祖父と両親の
住むハワイ島へと出発し
結菜も光寿訳と同じ飛行機で
こっそり日本を出た。


光寿郎はフアーストクラス

内緒の出発の結菜はエコノミー

本当は仕事で行きたかった。
大空を飛び回るような、夏華や、
メイみたいな、小さい頃から
憧れていたキャビンアテンダント。
飛行機で彼女達を見ながら
つくづく考えさせられる。


でも仕事には変わりない。
と思い起こす。
屋敷から10人プロ家政婦!!


プロ集団と仕事を共にする。

しかも皆さん50代、厳しい人も
いれば温厚な方もいる。
私を、お婆様が新入りとして、付け
てくれた。

眠って起きたらハワイだ。
結菜は不安に押しつぶされながら
眠りについた。


ハワイとの時差は19時間、おきたら
やはり夕方だろうな。


光寿郎も結菜の五ヶ条を思いだしていた。

「浮気は、NG。」☞「するわけナイ!」

「ハグもNG。」

「エッ‼ん~ん向こうは挨拶だし、ハグ
は、・・・」๑•̀д•́ナニッ
          

「アア、ハイハイ
ハグは、男だけな!!」

「夜遊び禁止!!」☞OK, OK
「おばあ様と寝る。」

「まじかー         
 幼稚園以来だぞー。        
ありえないし、30の男が
 バーちゃんの部屋で
ねんのかよ?
マジで変じゃね?」


「変なことナイッ!!」

  「ハイハイ分かった。
   バーちゃんと寝る、寝る。
   結菜が安心するならな!!。」

「風俗禁止!!」☞「いきません。」

 何回も確認されてイラついた俺は
結菜に 


「ならついてこい。」
 と言えば黙り込むし。

 いっちょ前にヤキモチ妬くんだなぁ。
「かわいい。」クスクス顔が緩んで
しまう。


「専務、何かいいことでも?」

秘書の仲田がニヤニヤしながら聞いてきた。

     「別に。」

仲由は短く整えた七三の髪を、
後ろに流して金縁メガネを、
拭いてたいた。
同い年だが落ち着いて見える。

ウトウトしていると機内アナウンス
がながれもうすぐ、着くらしい、
爺さんに会うのは6年振りだ。


いまだにワイキキやハワイの街や
ビーチを、マラソンする程元気が
有り余ってるらしい。

アーアッ思わず背伸びしてしまう。
カラリとした南国はやはり
カメハメハ大王のお膝元って気がする。


結菜は家政婦さん軍団の中に紛れ、
光寿郎を
探した。

しかしキョロキョロしながら、
迎えに来た九条家のワインカラーの
マイクロバスに乗り込んだ。



ワイキキ、ビーチを横目にバスは、
九条家御用達の某有名ホテルに
はいって行く。


手荷物を、下ろそうとバスの外側にで
るとスーツ姿の老人が現れた。

背が高く深いしわがありとても
ダンディーな感じだが
間違いない。光寿郎のおじい様だ。



「皆ありがとう、ありがとう。

 大変でしたね。
 あとはホテルに任せて明日の為
ゆっくりしなさい。」


そう言うとニコニコしながら、
さっていった。
家政婦長が頭をあげるまで私達も
上げなかった。

と言うわけで昼からはオフだった。
結菜は、ロビーでコーヒーを飲み
ながら雪菜や吉乃や美鶴に近況報告
をかねてメールと写メを送っていた。



すると見慣れたイケメンが綺麗な
女の人と入ってきた。


二人は結菜の後ろテーブルに座った。

聞くつもりもないが聞こえてきた。


「お祖父様って気が早いわね。
 私達今あったばかりなのにね。ふふ。」



「全く、迷惑だよな、ハハハ。」

「そんな事無いわよ。小さい頃は
いっも遊んでいたし。
 急に日本に帰っちゃうんだもの、
毎日泣いてたわよ。」

「もう、20年も前の話だょ。しかし
 桜、綺麗になったな。」


    「会いたかった?」


綺麗な真っ黒い瞳で光寿郎を覗き
込むように悪戯っぽく笑った。

      「もちろん。」

「じゃあ、日本についてこうかなぁ!!」

  「えっ、またまたぁ。」

「だめ?光寿郎を見て凄くなっかし
かったし凄くいい男になってて
嬉しい。」


結菜はふと光寿郎を見て心で叫んだ。


(その人に言ってよ。彼女いるって
 結婚考えているって…言え、オラオラ。)


「桜、冗談も上手くなったんだな。ハハ。」


 彼女は少し微妙に寂しげな顔をして
レモンテイを口にした。


夜8時ラインが来た。

♬光寿郎♬
「バーちゃんと早めの就寝。
今日は考える事が山程あり、脳みそ
フル回転な1日。」

       ♪ゆいな♬
  既読    「お疲れ様。
       元カノの事とか?」

♬光寿郎♬
「あたりー。(^^)」

既読 ♪ ゆいな♬
      「よりもどしたいの?
          元カノと?」
♬光寿郎♬

「んなことあるわけないだろー
ヤキモチ妬きすぎ。」
          
       既読 ♪結菜♬
   「マジ、ウザイんだけど。」

♬光寿郎♬
「イヤイヤ、マジ美人になっててさ
ビックリしたんだよ。」

「やいてんの?」

「嘘、嘘ってか、俺は、結菜一筋だし。」

「おい!!スルーすんな…!」

「悪かった、ゴメン。返信して。」

「マジゴメン!嘘だから。」

「美人じゃない。」

「ね、まさかのブロックやめて、」
「結菜だけ愛してるから。」



< 50 / 56 >

この作品をシェア

pagetop