【短】1000年の誓い

ぎぃ


なんとなく、そのまま足を向けたのは、旧校舎の屋上。ベタな場所だけれど、古すぎるせいか案外穴場になっていて、俺はそこがお気に入りだった。


目の前に広がる空は冬晴れで眩い。
はぁーっと長い溜息を吐いてから、購買で買って来たいちごミルクをストローで勢い良くちゅーっと吸い込んだ。


先パイはすんごくモテる。男女問わず。
いやもうモテるどころじゃない。
とにかく毎日山盛り手紙は貰うし、告白は受けてるし…。
まぁ、その大半が女子からなんだけど、圧倒的に女子からの支持が高くて、それが逆にとても質が悪いと言うか…。
女子相手に嫉妬するなんて、どんだけ器小さいんだよ、俺…。


「あーぁ。怜奈先パイが遠いなぁ…」


足をぐんっと前に投げ出して座り込んでから、そう盛大に呟くと、背後から愛しい声が聞こえてくる。

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