女の子にならせてよ
朝、気持ち悪かったから二度寝して…夜までずっと寝てたの?私。
「寝すぎた…」
ぽつりと呟き、私も階段を降りた。
ガチャリとリビングのドアを開けると夜ご飯のいい匂いがしてグーっとお腹が鳴った。
…今日ずっと寝てたから何にも食べてないんだ。
「あ、もう気持ち悪くない?」
料理をテーブルに運びながら聞いてきたお母さんを見る。
「うん。もう気持ち悪くない」
寝すぎたからか、今度は身体がだるいけど。
「じゃあ食べよっか。あ、麗央ー!スマホ没収するよ?」
ソファでスマホをいじってる麗央のところに向かったお母さん。
テーブルの上に、用意された3人分のご飯を見る。
私たち家族は母子家庭。
だからお父さんはいない。
…お母さんは家事に仕事に追われててもニコニコと笑顔を絶やさない。