女の子にならせてよ
お母さんが静かにキッチンからいなくなり、途中だった皿洗いを再開した。
無心になって皿洗いをしようとしても、お母さんの苦しそうな顔が頭の中でちらつく。
どうしよう。
これはお母さんに幸せになってもらうチャンスだ。
お母さんに幸せになってもらいたいって、日頃から思ってたはずだ。
…なのに素直にいいよと言えない自分勝手な自分がいる。
“やだ、なんで?再婚なんか”
気を抜くとすぐ、そんなことを言っちゃいそう。
「はぁ…」
どうしたらいいのか、わかってるけど…言いたくないと思っちゃってる自分に嫌気がさす。
お母さんお風呂入ったかな…。
皿を洗い終えた私はソファに座ってテレビを見ることにした。