女の子にならせてよ
美織の視線を辿れば、
「はぁ。いきなり呼び出すなよ美織……え、心愛?」
少し息を切らした湊がいた。
…そういえば、さっき美織が電話で湊とか言ってたな。
呼び出してたのか…。
てか…まだ湊の心愛呼びに慣れない。
顔が赤くなってるのがわかった。
そんな私を見てニヤニヤしてる美織。
「美織、なんで急に呼び出したんだよ?」
「私、急用ができちゃったから湊が今日一日心愛の相手してもらおうかなって思って。」
はい?
「え!?どういうこと?」
こっそり美織に聞くと、
「だって心愛なんか思いつめたような顔してるんだもん。湊と一日過ごせば、思いつめた顔が笑顔に変わるんじゃないかって思ってね?」
思いつめた顔してたのか…。
お母さんのことで、図星だった私は何も言えず黙る。