女の子にならせてよ
キィ、キィと鳴るブランコの周りには子供たちはいない。
みんな滑り台や砂場で遊んでる。
…今の子からはブランコ、人気ないのかな。
私の子供の時なんかはブランコ争奪戦を繰り広げてたのに…。
隣のブランコに乗った湊は少しブランコを揺らして黙っている。
子供の楽しそうな声を聞きながら、2人無言の時間が少し続いた。
最初に口を開いたのは湊だった。
「なんかあった?」
言いたくなかったら言わなくていいんだけど…そう付け加えた湊を凝視する。
なっ、なんでわかっちゃったの?
「…なんでそう思ったの?」
思いつめた顔してるって美織に言われたから、湊の前ではなるべく意識して笑うようにしてたのに…。
「作り笑い」
そう一言言って私に視線を向けた湊にドキリとする。