女の子にならせてよ
「ふとした時に、作り笑いしてた。」
よく見てるんだな。
なんて、呑気に思う。
ざわざわと、木々が揺れる。
「…相談してもいい?」
勇気を出して聞いてみた。
私が相談してくるなんて思ってなかったのか、少し反応が遅れてびっくりしてる湊を見て少し笑みがこぼれた。
「全然いいよ。心愛の思ってること、悩んでること、なんでも言って?」
フワリと笑いかけてくれた湊に安心した。
「ずっと母子家庭だったんだけどね、お母さんが再婚したいって言ってきたんだ。」
何も言わずに耳を傾けてくれてる湊にスラスラ言葉が出てくる。
「…お母さんの幸せを願ってたはずなんだけど、いざ2度目の幸せをつかもうとしてるお母さんを素直に応援できなくってさ私。」
「うん」
なぜか、優しい声に涙が出そうになった。