女の子にならせてよ
どちらともなく離れて湊が口を開いた。
「不安も全部、泣きながらお母さんにぶつけてみたら?」
みたら?なんて適当な…なんて思いながら確かにな、なんて納得してる自分がいる。
「それでダメだったら俺のとこに来て。」
甘く甘く私の耳元で呟いた湊に顔が赤くなる。
耳弱い?なんてクスクス笑いながら言ってくる湊に「バカやろー…」なんて言い返すが、全然効いてない。
暗かった気持ちが、安心して家に帰れる勇気に変わった。
「ありがと」
小さい声で言った私の声は湊に届いてるかはわからない。
でも、ふっと笑ったから届いてるかもしれない。
だって湊は地獄耳だから。