女の子にならせてよ
新しい家族
ガチャリと見慣れたドアを開けて、いつも通りただいまと言った。
パタパタと足音がして、私の目の前でおかえりと聞こえた。
「あとで話があるんだけど…聞いてくれる?」
柔らかな表情で言えた私に目を丸くするお母さん。
どこか緊張したような戸惑ってるような顔をしたお母さんに、「大丈夫だよ」と言って二階にある私の部屋に向かった。
部屋に着くと、ベッドにダイブした。
ギシリと揺れた。
「ふっー…」
…疲れた。
久しぶりに人の前で泣いたな。
湊の優しい笑顔や表情を頭の中で浮かべて、少し恥ずかしくなった。
本当になんで湊は大丈夫なんだろう、私。
湊とは全然普通に話せるし、触れられる。