女の子にならせてよ
びっくりして固まったままの私に、麗央がまっすぐお母さんを見つめ、続けた。
「…もうねーちゃんのあんな姿、見たくねーんだよ。」
弱々しく言った麗央にドクン、ズキンと胸が騒ぎ出す。
私……、こんなに麗央に心配かけてたんだ。
いや、お母さんにも…か。
お母さんを見るとすごく辛そうな顔をしていたのに気づいた。
「うん…私も心愛が少しでも嫌だと思ったら再婚の話はなしにするつもり」
そう静かに言ったお母さんを見て胸が痛む。
私のためを思って再婚の話をなしにするなんて…そんなの絶対ダメだ。
顔をしかめた私を見て、お母さんが優しく微笑んだ。
「あのね?私が1番大切なのは心愛と麗央なの。だから心愛に反対されても全然いいの。だって誰がなんと言おうとずっと我が子が大切で、守りたい。嫌なら素直に言って?私、心愛に我慢される方が辛いから」
お母さんの長い言葉の中で、私は思わず涙が溢れた。