女の子にならせてよ
麗央はバスケをしてる。
しかもキャプテンで、すごくうまいらしい。
麗央のプレーを見たことないから見に行きたいっていっつも言ってるのに毎回、来なくていいって言われるんだよね…。
反抗期かい?麗央さん。
弟の遅めの反抗期を心配してると、戒さんの声が聞こえた。
「麗央くんはバスケ部のキャプテンなんだって?すごいじゃないか。それに比べ、凌駕は…チャラチャラして…」
…あ、まただ。
また凌駕さんに冷たい目を向けた。
お母さんがオロオロしながら「そんなことないわよ」と言葉をかけるけど戒さんは止まらない。
「だいたいお前は将来のことをちゃんと考えて生きてるのか?何も考えてないだろう。」
「…」
「お前の友達もいい加減なやつばっかりだし…、ろくなやつの周りにはろくなやつしか集まらないんだな。」
「…うるせぇな」
今までなにも言わず、黙って言われるがままだった凌駕が小さく言った。