女の子にならせてよ
自分をいくら貶されても黙っていたのに…友達のことを貶されたら怒った凌駕さんに少し驚いた。
友達思いなんだな…。
「親に向かって聞く口じゃないだろ。」
冷たく、とても冷たい目をする戒さんを睨む凌駕さん。
どちらも引く気はなくて、私とお母さんがその場でオロオロするだけ。
「俺の跡を継ぐにふさわしくなってもらわないと困るんだが」
静かに戒さんが冷たく言った。
戒さんは大手企業の社長さんらしい。
「…継がねーって言ってんだろ」
そう言った凌駕さんが真顔を一瞬崩して、寂しそうな顔をした気がした。
え、…?
「いい加減にしろ!いつまでも子供みたいに駄々こねるな。お前みたいなクズがまがいなりにも社長になれるんだぞ?」
はっと冷たく笑った戒さんに、もう我慢できなかった。