女の子にならせてよ
「すみません…」
小さく言った私。
「どうした?心愛ちゃん?」
私に向けた目は優しかった。
それを見た凌駕さんが悲痛な顔をしたのを見て、我慢できずに口が開いていた。
「クズ…だなんて、息子に言わないでください。冷たい目をしないでください。…私は、あなたたち家族がどうやって生きてきたかは知らないし、関係ないやつが口を出すなと思うかもしれません」
「心愛…ちゃん?」
「……」
驚いてる戒さんと黙ったまま私を見てる凌駕さんを見る。
「凌駕さんの寂しそうな顔、悲痛な顔がわからないんですか?なんで見ようとしないんですか?…どんなことがあっても息子にそんなこと言う戒さんは父親失格…です。」
「…」
今度は真剣な顔して黙って私の話を聞く戒さん。