女の子にならせてよ

「すみません…」



小さく言った私。





「どうした?心愛ちゃん?」




私に向けた目は優しかった。




それを見た凌駕さんが悲痛な顔をしたのを見て、我慢できずに口が開いていた。





「クズ…だなんて、息子に言わないでください。冷たい目をしないでください。…私は、あなたたち家族がどうやって生きてきたかは知らないし、関係ないやつが口を出すなと思うかもしれません」



「心愛…ちゃん?」


「……」



驚いてる戒さんと黙ったまま私を見てる凌駕さんを見る。







「凌駕さんの寂しそうな顔、悲痛な顔がわからないんですか?なんで見ようとしないんですか?…どんなことがあっても息子にそんなこと言う戒さんは父親失格…です。」





「…」


今度は真剣な顔して黙って私の話を聞く戒さん。


< 99 / 126 >

この作品をシェア

pagetop