あなたを忘れていいですか?

それからの私は、咲哉を疑いの目で見ていた。

咲哉もまた、以前はなかった頻繁にスマホを気にするようになった。
着信を知らせるスマホを持ち、寝室に閉じこもる咲哉。

何も言わず何も聞かず、徐々に会話もなくなり気まずい空気が漂ってるのは、咲哉もわかっていたはず。

自分の家なのに自宅に帰りたくない私は、咲哉のお正月休みを全て勤務のシフトに変更してもらった。
職場の先輩が旦那様の実家に一緒に行きたがってたのがわかったから、先輩のシフトを受けた。  

お正月、咲哉は地元に帰って行った。
高校の同窓会があって、二人で参加しようねって言ってたけど、同窓会には麻衣も来るだろう。

仲のいい二人を見るのは嫌だった。



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