あなたを忘れていいですか?

年が明けた三日目の朝、夜勤明けで帰ってきた時だった。 
私のスマホが着信を知らせる。
画面を見ると、小学校からの腐れ縁で今は東京の出版社に勤務してる亜季から。

「もしもし、久しぶり亜季。」

「久しぶり、紫乃。
同窓会、会いたかったのに。」

久々の亜季とのお喋り、盛り上がると思ってた。
久しぶりの地元、同級生の誰が結婚して誰が海外にいるとか、たわいもない話しをしていた。
亜季が高校の時付き合ってたのは咲哉の友達の充で、大学時代に別れた。
久しぶりに会った充の話もした。

「で…あのさ、」

急に声のトーンが下がり何かを言いたげな亜季。

亜季は、私と咲哉が寄りを戻したことを知ってる。

あ~咲哉のことだな、と。

「あのさ、咲哉さ、二次会のカラオケの途中で麻衣と抜けたんだよね。
あの二人、まだ関係あるの?
その場にいた人達みんな、やっぱり怪しいって言ってたけど何かあるの?」

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