あなたを忘れていいですか?
何処に行ってたの?
誰と会ってたの?

何度も同じ疑問をぶつけた。

仕事が忙しい。
接待が入った。
兄貴に呼ばれた。

咲哉から聞かされた理由が、全部言い訳に聞こえる。

信じることができなくて、何度も喧嘩を繰り返す。

ソファーに座って一緒に寛ぐこともなくなり、咲哉はすぐに寝室に入ってしまう。

そんな日々がしばらく続いたある日。
決定的な出来事がおきた。

それは、2月下旬の私の誕生日。
誕生日ぐらい二人でお祝いしたい。
そんな願いも粉々に砕け散った。

夜勤明けで眠っていた私。
定時で帰ってきたであろう咲哉は、ケーキとデリバリーでパーティーの準備をしてくれていた。

寝ぼけまなこで起きた私の視界に飛び込んできた光景に、私はとっても嬉しくなった。


< 15 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop