あなたを忘れていいですか?

眠って眠って、気づけば翌日のお昼頃だった。

起きて洗面所で顔を洗い鏡を見た。
腫れぼったい瞼が物語ってる。
職場の人達、さぞかしびっくりしただろうな…
自嘲してキッチンに行きご飯を作る。

もう、一人分でいいんだ。
二つ持った卵を見て一つ冷蔵庫に戻した。
トーストを焼いてベーコンとスクランブルエッグを食べた。
今まで、こうだったじゃん。
一人で、食べてたじゃん。

元に戻っただけ。
だから、寂しくなんかない。

さてと、夜勤の準備でもしよう。
そう思って立ち上がった時、玄関の鍵が開く音。

咲哉が帰ってきた

食器をキッチンに持って行き洗い始める。

背中を向けてる私に、咲哉は話しかけた。

「紫乃…」


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