あなたを忘れていいですか?
一人になって、部屋と職場の往復。
出かけることもなく引きこもり状態の私。

見かねた亜季が東京から遊びに来たのは、いつの間にか春も半ばのゴールデンウィーク。
ご飯食べに行くよと、アパートから引っ張り出された。

近くのファミレスで食事をとり、そのまま飲みに行くことになった。

繁華街に行く途中、大きなショッピングモールがある。

そのショッピングモールの駐車場。

そこに、見慣れた背中があった。

「咲哉…?」

呟いた私の声を聞き立ち止まる亜季。

「あ、咲哉…と、麻衣?」

咲哉と一緒にいたのは、麻衣だった。

咲哉は大切そうに麻衣の手を引いてる。
大切そうな表情を向けてる。

だって、麻衣のお腹が膨らんでいるから。

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