あなたを忘れていいですか?

何にもない、何でもないと自分に言い聞かせた。

シャワーを終えた咲哉は普通に食事をし、いつものように私を抱いた。
優しい手も、熱い唇も、暖かい抱擁もいつも通り。

いつもと違ってたのは咲哉が眠った後、ベッドサイドにあるダッシュボードの上のサイレントにしてある咲哉のスマホが光り画面に表示された着信の名前が…

麻衣…だっただけ。

着信の後のラインが見えただけ。

『今日はありがとう、嬉しかった。』

また、だ

また、あの子が気になり始めてしまった。

今日会ってた?
嬉しかったって、なに?

以前は、地元の短大を卒業して保母さんとして保育園に勤めてるって聞いた。
そんな彼女と、どうして会ってるの?

疑い始めてしまったら、咲哉が信じられなくなり自分の気持ちにも自信がなくなってしまった。


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