先生が私に恋をした
朝から立て続けに救急車が到着し、あわただしい
一日が始まった

今日のオペ室は沢っちと院長だ
同時進行になるため、助っ人でフリーの日野先生が
オペ室に入ることになった

「今日は朝からバタバタだね、、、」

診察の準備のため、カルテを出してると
隣にきた由紀さんが言った

「ですね。診察は混まなきゃいいけど、、、」
「これで診察もてんてこ舞いなら、倒れるわー」

由紀さんは笑いながら倒れるふりをしてみせた
滞りなく診察がおわりますように、、、

「奏さん、検査結果まだ?」
「CTの予約お願い」
「この方、次回採血ねー」

願いもむなしく、足がよろめく程の忙しさ
明日からお盆休みだった、、、
その前に薬をもらおうと波のように押し寄せた患者さん

マイクで患者さんを呼び、患者さんが入室まで一息
つく。

「ふーっ、、、」
「大丈夫?」
「あ、はい。大丈夫です、全然」

近藤先生が私の頭にポンポンと触れた
さりげない仕草にドキッとしてしまう

「おはようございますー」
「おはようございます。どうですか?かわりないですか?」

患者さんが椅子に腰かけながら挨拶をした

「今日混んでますねー」
「すみません、待たせてしまって」
「明日から休みだったんですねー。来て良かったよー」

患者さんと先生の会話を聞きながら、私はPCに向かって
予約や、検査の確認をしていた





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