先生が私に恋をした
翌朝仕事に行くと先生のアメリカ行きの話が広まっ
ていた
人の口ほど怖いものはないと思った


「日野先生、アメリカ行ったら姉妹病院から派遣かなー?」
「誰くると思う?」
「江口先生濃厚じゃない?」
「えー、私苦手ー」
「それか、神崎先生とか?」
「いーねー!神崎先生カッコいいし」

朝からキャーキャー、ワーワー、みんな言いたい放題
私は会話に入ることなく、着替えを済ませて
ロッカールームをあとにした


「おはよー、奏さん」
「あ、おはよう、かっしー」
「聞いた?日野先生のこと」
「さっき、ロッカールームでみんな騒いでたから」
「でも、保留にしてるって聞いて驚いた」
「そーなんだ」
「うん、普通なら二つ返事で行くもん」
「へー、かっしーも?」
「うん。」
「そっか。」
「あ、寂しい?大丈夫。そうなったら奏さん連れてくー」

どこまで本気で冗談なのか、
かっしーは笑いながらそう言った


先生はわたしのことがあって、ずっと答えを出せず
悩んでいたから
そんなこと言えないけど、、、

かっしーと私はそんな話をしながら診察室へ向かった



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